「家計簿をつけなきゃ」と思ってインストールした『マネーフォワード ME』。 最後に開いたのはいつですか?
スマホのホーム画面にあるアイコンを見るたびに、
- 「あぁ、財布の中にレシートが溜まってるな…」
- 「銀行の再連携エラーが出てるけど、ログインパスワード探すのが面倒だな…」
と、ズキッと心が痛むことはありませんか? そして、その罪悪感から逃れるように、そっと通知を消してしまう。
もしそんな経験があるなら、この記事はまさにあなたのためのものです。
今回は、毎日仕事に育児に奔走し、自分の時間さえままならないあなたへ、「完璧を捨てる」ことから始まる、全く新しい家計管理のアプローチをご提案します。
- ✅ 「もう、レシートを見なくていい」 毎日のレシート撮影や、1円単位の現金合わせ。「やらなきゃ」という重圧を、今日限りで手放せます。
- ✅ 「私が悪いんじゃない」とホッとする 家計簿が続かなかったのは、あなたのせいじゃなかった。長年のモヤモヤが晴れて、心がスッと軽くなります。
- ✅ 浮いた時間で、子供と笑い合える 家計管理の手間をゼロに近づけて、そこで生まれた余裕を、お子さんと向き合う「笑顔の時間」に使えます。
家計簿が続かない本当の理由|7割が挫折するのは「仕組み」のせいだった
まず、はっきり言わせてください。家計簿が続かないのは、あなたの意志が弱いからでも、だらしないからでもありません。
実は、家計簿アプリ利用者の約7割が挫折を経験しているというデータがあります(マネーフォワード「家計簿に関する意識調査」)。つまり、「続かない」のが普通であり、あなたは多数派なのです。特に、時間のない共働き子育て世帯にとって、世の中で一般的に推奨されている「正しい家計管理」は、構造的にハードルが高すぎます。
【要注意】挫折を招く「毒入り」家計管理アドバイス3選
ネットで検索すると出てくる、一見正しそうなアドバイス。これらが実は、忙しい私たちにとっては「毒」になっていることに気づいていますか?
- 💀 「レシートは毎日撮影しましょう」
- → 【現実】 無理です。保育園のお迎えに行き、戦争のような夕食・お風呂・寝かしつけを終えて、ようやく訪れた静寂の時間。そこで「さあ、レシートを撮影しよう」と思えますか? 財布からくしゃくしゃになったレシートを取り出す気力なんて、残っているはずがありません。
- 💀 「財布の残高とアプリの残高を合わせましょう」
- → 【現実】 アプリ上では「現金残高 3,420円」なのに、財布には「3,410円」しかない。この「消えた10円」を探すために、記憶を辿ったり計算し直したり…。その10円を探す労力と15分の時間は、睡眠時間に充てた方がよほど生産的です。
- 💀 「食費と日用品費は細かく分けましょう」
- → 【現実】 ドラッグストアで、子供のオムツ(日用品)と、翌朝の牛乳やパン(食費)を一緒に買うことは日常茶飯事です。それをレシートを見ながら「ここからここまでが日用品で…」と計算機を叩く作業は、もはや拷問に等しいと言えます。
これらは、時間と心に余裕がある人が趣味として楽しむための「丁寧な家計簿」です。 日々、何百ものタスクをこなす私たちに必要なのは、1円単位の「精度」ではありません。家計管理というシステムを死なせないための「生存(継続)」こそが最優先なのです。
マネーフォワードMEで「捨てるべき3つの機能」|ポイ活・レシート撮影はNG
「マネーフォワード ME」を、あなたの生活を圧迫する敵から、最強の味方に変えるために。まずは勇気を持って、以下の3つの機能を捨ててください。「使わない勇気」が、継続への第一歩です。
1. 【現金管理NG】「財布機能」は使わない!最大の挫折ポイントを回避する
これが最大の挫折ポイントです。「財布」機能を真面目に使うと、手入力から逃れられません。 ATMからお金を下ろしたのに財布機能に入金記録をつけるのを忘れ、「銀行からは減っているのに、手元の財布残高が増えない(あるいはその逆)」という不整合が起きると、もう修正する気も起きなくなります。現金管理という概念自体をやめましょう。
2. 【ポイ活連携NG】「ポイントカード」は連携しない!エラー地獄からの脱出
Tポイント、Ponta、dポイント……細かいポイントカードを全部連携していませんか? これらは頻繁に「連携エラー」を起こします。アプリを開くたびにオレンジ色の「!」マークが表示されていると、それだけで「何かしなきゃいけない」というストレス(認知的負荷)がかかります。 数百円分のポイントの有効期限通知はノイズでしかありません。連携するのは資産に直結する「メインの銀行・カード・証券」だけで十分です。
3. 【細かい分類NG】「費目分け」は思考停止でOK!決断疲れを防ぐコツ
「食費」「外食」「カフェ代」「コンビニ」「交際費(仕事)」「交際費(友人)」……。 カテゴリを細かく分ければ分けるほど、入力するときに「これはどっちだっけ?」という「決断疲れ」を引き起こします。私たちは日々、仕事や育児で十分すぎるほど決断しています。これ以上、脳のメモリを消費してはいけません。
【マネーフォワード設定】「ズボラ最適化」3ステップ|5分で完了する自動化の全手順
では、具体的な設定手順に入りましょう。スマホを片手に、これだけ設定してしまえば、あとは完全放置でOKです。この5分間の設定が、あなたの未来の時間を何十時間も救います。
Step 1:【現金対策】ATM引き出し=即支出!「ブラックボックス化」の神設定
これが今回の目玉テクニックであり、多くのズボラユーザーを救ってきた秘策です。 現金は、「ATMから下ろした瞬間に、全額使ったことにする(消費したとみなす)」のです。
【具体的な設定手順】
- マネーフォワードの入出金履歴を開く。
- ATMからの引き出し明細(例:-30,000円)をタップ。
- 通常は「振替(自分の口座間の移動)」になっていますが、これを「支出」に変更します。
- カテゴリを「現金」や「小遣い・雑費」に設定。
- 「この内容で自動作成ルールを保存」のチェックをONにする(これが重要!次回から自動化されます)。
次回から、ATMでお金を下ろすと、自動的に「3万円の支出」として計上されます。 その3万円で大根を買おうが、子供のおもちゃを買おうが、友人とランチに行こうが、家計簿上はすでに「3万円の支出」として処理済み。 もう二度と、レシートをもらう必要も、入力する必要もありません。 財布の残高とアプリの残高が合わなくてイライラすることも、永久になくなります。
Step 2:【カテゴリ設定】分類は「3つ」でいい!迷いをゼロにする3ボックス法
分類に迷う時間をゼロにするために、カテゴリは以下の3つ(+現金)だけで考えます。ざっくりとした把握で十分家計は改善します。
| ボックス名 | 含まれるもの | 解説 |
|---|---|---|
| ① 生きるためのお金 | 食費、日用品 | スーパーとドラッグストアでの買い物は全部ここ。「洗剤は日用品、お菓子は食費…」なんて分ける必要なし。全部まとめて「生活費」でOK。 |
| ② 息をするだけで減るお金 | 住居費、水道光熱費、通信費、教育費、保険 | いわゆる固定費です。これらは一度設定すれば毎月自動判定されるので、手をつける必要はありません。 |
| ③ ゆとり費(浪費) | 外食、趣味、旅行、現金 | ここをコントロールするのが家計管理の目的。Step1の「現金」も、使い道が自由なのでここに含まれます。 |
Amazonやカードの明細で「未分類」が出たら、中身をいちいち確認せず、一括で「生活費」か「ゆとり費」に放り込みましょう。「たまに本(教養)を買ったかもしれないけれど、面倒だからゆとり費でいいや」くらいの適当さが、継続の秘訣です。だいたいの傾向がわかれば十分なのです。
Step 3:【運用ルール】確認は「月1回」だけ!給料日ルーチンで家計を把握する
毎日アプリを開いて「今日はいくら使ったかな?」と確認する必要はありません。通知もOFFにして構いません。 月に1回、給料日(またはカード引き落とし日)にだけログインしてください。これを「月1回の儀式」としましょう。
【月1回やることリスト(所要時間:5分)】
- 更新ボタンを一括で押す(全口座のデータを最新にする間に、コーヒーでも淹れて待ちましょう)。
- オレンジ色の「連携エラー」が出ていたら、この時だけ重い腰を上げて直す(月1回なら耐えられます)。
- 「収入 > 支出」になっているか、今月の黒字・赤字だけ確認する。
- 先月より「ゆとり費」が増えすぎていないかだけチラ見する。「今月は外食が多かったな、来月は少し控えよう」と思えれば、それで100点満点です。
これでおしまいです。
まとめ|「60点の家計簿」が最強。完璧を捨てて家計管理を自動化しよう
「1円単位まで合わないと気持ち悪い」「きっちり管理できていない自分はダメなんじゃないか」 その真面目さと責任感は素晴らしいものです。でも、その完璧主義こそが、あなたの家計管理を止めてしまっていた最大の原因でした。
ここは企業の会計監査ではありません。数千円の使途不明金があっても、「ま、いっか!誤差、誤差!」と笑って許してあげてください。 詳細すぎるデータに埋もれて疲弊するよりも、「今月はちょっと使いすぎたな」「貯金は少しずつだけど増えているな」というぼんやりとした、でも確実な安心感を持ち続けることの方が、よほど価値があります。
今日から「ズボラ設定」に切り替えて、家計管理のストレスを手放しませんか? 浮いた時間と心の余裕は、レシートとの格闘ではなく、ぜひお子さんとの笑顔の時間や、あなた自身の休息に使ってくださいね。


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