マネーフォワードが続かない?子育て世帯のための「月1回・5分」で終わるズボラ設定術

ノートとペン、白いマグカップが置かれた落ち着いたデスクで家計管理の準備をしている様子

「家計簿をつけなきゃ」と思ってインストールした『マネーフォワード ME』。 最後に開いたのはいつですか?

スマホのホーム画面にあるアイコンを見るたびに、

  • 「あぁ、財布の中にレシートが溜まってるな…」
  • 「銀行の再連携エラーが出てるけど、ログインパスワード探すのが面倒だな…」

と、ズキッと心が痛むことはありませんか? そして、その罪悪感から逃れるように、そっと通知を消してしまう。

もしそんな経験があるなら、この記事はまさにあなたのためのものです。

今回は、毎日仕事に育児に奔走し、自分の時間さえままならないあなたへ、「完璧を捨てる」ことから始まる、全く新しい家計管理のアプローチをご提案します。

この記事のゴール
  • 「もう、レシートを見なくていい」 毎日のレシート撮影や、1円単位の現金合わせ。「やらなきゃ」という重圧を、今日限りで手放せます。
  • 「私が悪いんじゃない」とホッとする 家計簿が続かなかったのは、あなたのせいじゃなかった。長年のモヤモヤが晴れて、心がスッと軽くなります。
  • 浮いた時間で、子供と笑い合える 家計管理の手間をゼロに近づけて、そこで生まれた余裕を、お子さんと向き合う「笑顔の時間」に使えます。
目次

家計簿が続かない本当の理由|7割が挫折するのは「仕組み」のせいだった

まず、はっきり言わせてください。家計簿が続かないのは、あなたの意志が弱いからでも、だらしないからでもありません。

実は、家計簿アプリ利用者の約7割が挫折を経験しているというデータがあります(マネーフォワード「家計簿に関する意識調査」)。つまり、「続かない」のが普通であり、あなたは多数派なのです。特に、時間のない共働き子育て世帯にとって、世の中で一般的に推奨されている「正しい家計管理」は、構造的にハードルが高すぎます。

要注意】挫折を招く「毒入り」家計管理アドバイス3選

ネットで検索すると出てくる、一見正しそうなアドバイス。これらが実は、忙しい私たちにとっては「毒」になっていることに気づいていますか?

  • 💀 「レシートは毎日撮影しましょう」
    • 【現実】 無理です。保育園のお迎えに行き、戦争のような夕食・お風呂・寝かしつけを終えて、ようやく訪れた静寂の時間。そこで「さあ、レシートを撮影しよう」と思えますか? 財布からくしゃくしゃになったレシートを取り出す気力なんて、残っているはずがありません。
  • 💀 「財布の残高とアプリの残高を合わせましょう」
    • 【現実】 アプリ上では「現金残高 3,420円」なのに、財布には「3,410円」しかない。この「消えた10円」を探すために、記憶を辿ったり計算し直したり…。その10円を探す労力と15分の時間は、睡眠時間に充てた方がよほど生産的です。
  • 💀 「食費と日用品費は細かく分けましょう」
    • 【現実】 ドラッグストアで、子供のオムツ(日用品)と、翌朝の牛乳やパン(食費)を一緒に買うことは日常茶飯事です。それをレシートを見ながら「ここからここまでが日用品で…」と計算機を叩く作業は、もはや拷問に等しいと言えます。

これらは、時間と心に余裕がある人が趣味として楽しむための「丁寧な家計簿」です。 日々、何百ものタスクをこなす私たちに必要なのは、1円単位の「精度」ではありません。家計管理というシステムを死なせないための「生存(継続)」こそが最優先なのです。

マネーフォワードMEで「捨てるべき3つの機能」|ポイ活・レシート撮影はNG

「マネーフォワード ME」を、あなたの生活を圧迫する敵から、最強の味方に変えるために。まずは勇気を持って、以下の3つの機能を捨ててください。「使わない勇気」が、継続への第一歩です。

1. 【現金管理NG】「財布機能」は使わない!最大の挫折ポイントを回避する

これが最大の挫折ポイントです。「財布」機能を真面目に使うと、手入力から逃れられません。 ATMからお金を下ろしたのに財布機能に入金記録をつけるのを忘れ、「銀行からは減っているのに、手元の財布残高が増えない(あるいはその逆)」という不整合が起きると、もう修正する気も起きなくなります。現金管理という概念自体をやめましょう。

2. 【ポイ活連携NG】「ポイントカード」は連携しない!エラー地獄からの脱出

Tポイント、Ponta、dポイント……細かいポイントカードを全部連携していませんか? これらは頻繁に「連携エラー」を起こします。アプリを開くたびにオレンジ色の「!」マークが表示されていると、それだけで「何かしなきゃいけない」というストレス(認知的負荷)がかかります。 数百円分のポイントの有効期限通知はノイズでしかありません。連携するのは資産に直結する「メインの銀行・カード・証券」だけで十分です。

3. 【細かい分類NG】「費目分け」は思考停止でOK!決断疲れを防ぐコツ

「食費」「外食」「カフェ代」「コンビニ」「交際費(仕事)」「交際費(友人)」……。 カテゴリを細かく分ければ分けるほど、入力するときに「これはどっちだっけ?」という「決断疲れ」を引き起こします。私たちは日々、仕事や育児で十分すぎるほど決断しています。これ以上、脳のメモリを消費してはいけません。

【マネーフォワード設定】「ズボラ最適化」3ステップ|5分で完了する自動化の全手順

では、具体的な設定手順に入りましょう。スマホを片手に、これだけ設定してしまえば、あとは完全放置でOKです。この5分間の設定が、あなたの未来の時間を何十時間も救います。

Step 1:【現金対策】ATM引き出し=即支出!「ブラックボックス化」の神設定

これが今回の目玉テクニックであり、多くのズボラユーザーを救ってきた秘策です。 現金は、「ATMから下ろした瞬間に、全額使ったことにする(消費したとみなす)」のです。

【具体的な設定手順】

  1. マネーフォワードの入出金履歴を開く。
  2. ATMからの引き出し明細(例:-30,000円)をタップ。
  3. 通常は「振替(自分の口座間の移動)」になっていますが、これを「支出」に変更します。
  4. カテゴリを「現金」や「小遣い・雑費」に設定。
  5. 「この内容で自動作成ルールを保存」のチェックをONにする(これが重要!次回から自動化されます)。

次回から、ATMでお金を下ろすと、自動的に「3万円の支出」として計上されます。 その3万円で大根を買おうが、子供のおもちゃを買おうが、友人とランチに行こうが、家計簿上はすでに「3万円の支出」として処理済み。 もう二度と、レシートをもらう必要も、入力する必要もありません。 財布の残高とアプリの残高が合わなくてイライラすることも、永久になくなります。

Step 2:【カテゴリ設定】分類は「3つ」でいい!迷いをゼロにする3ボックス法

分類に迷う時間をゼロにするために、カテゴリは以下の3つ(+現金)だけで考えます。ざっくりとした把握で十分家計は改善します。

ボックス名含まれるもの解説
① 生きるためのお金食費、日用品スーパーとドラッグストアでの買い物は全部ここ。「洗剤は日用品、お菓子は食費…」なんて分ける必要なし。全部まとめて「生活費」でOK。
② 息をするだけで減るお金住居費、水道光熱費、通信費、教育費、保険いわゆる固定費です。これらは一度設定すれば毎月自動判定されるので、手をつける必要はありません。
③ ゆとり費(浪費)外食、趣味、旅行、現金ここをコントロールするのが家計管理の目的。Step1の「現金」も、使い道が自由なのでここに含まれます。

Amazonやカードの明細で「未分類」が出たら、中身をいちいち確認せず、一括で「生活費」か「ゆとり費」に放り込みましょう。「たまに本(教養)を買ったかもしれないけれど、面倒だからゆとり費でいいや」くらいの適当さが、継続の秘訣です。だいたいの傾向がわかれば十分なのです。

Step 3:【運用ルール】確認は「月1回」だけ!給料日ルーチンで家計を把握する

毎日アプリを開いて「今日はいくら使ったかな?」と確認する必要はありません。通知もOFFにして構いません。 月に1回、給料日(またはカード引き落とし日)にだけログインしてください。これを「月1回の儀式」としましょう。

【月1回やることリスト(所要時間:5分)】

  1. 更新ボタンを一括で押す(全口座のデータを最新にする間に、コーヒーでも淹れて待ちましょう)。
  2. オレンジ色の「連携エラー」が出ていたら、この時だけ重い腰を上げて直す(月1回なら耐えられます)。
  3. 「収入 > 支出」になっているか、今月の黒字・赤字だけ確認する。
  4. 先月より「ゆとり費」が増えすぎていないかだけチラ見する。「今月は外食が多かったな、来月は少し控えよう」と思えれば、それで100点満点です。

これでおしまいです。

まとめ|「60点の家計簿」が最強。完璧を捨てて家計管理を自動化しよう

「1円単位まで合わないと気持ち悪い」「きっちり管理できていない自分はダメなんじゃないか」 その真面目さと責任感は素晴らしいものです。でも、その完璧主義こそが、あなたの家計管理を止めてしまっていた最大の原因でした。

ここは企業の会計監査ではありません。数千円の使途不明金があっても、「ま、いっか!誤差、誤差!」と笑って許してあげてください。 詳細すぎるデータに埋もれて疲弊するよりも、「今月はちょっと使いすぎたな」「貯金は少しずつだけど増えているな」というぼんやりとした、でも確実な安心感を持ち続けることの方が、よほど価値があります。

今日から「ズボラ設定」に切り替えて、家計管理のストレスを手放しませんか? 浮いた時間と心の余裕は、レシートとの格闘ではなく、ぜひお子さんとの笑顔の時間や、あなた自身の休息に使ってくださいね。

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この記事を書いた人

家計を整えるための実践ノート📓
3歳+0歳双子の3児育児中。貯金0から、家計の仕組み化・支出の最適化により5年で総資産1500万達成。仕組み化・最適化の方法、投資の始め方など初心者が迷う基本を“わかりやすく”発信中。

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