かつての私もそうでした。「保険に入りながら、少しずつ貯められるなんて、いいじゃん」と思って契約した貯蓄型保険。けれど、数年後に解約返戻金の金額を見て、ようやく気づいたんです。
「これ、ほんとに“備え”になってたの?」
本記事では、貯蓄型保険の仕組みやそのコスト構造を紐解きながら、なぜ“もったいない”のかを丁寧に解説していきます。
保険と貯蓄は、そもそも目的が違う
まず大前提として、「保険」と「貯蓄」は別物です。
- 保険:めったに起きないけれど、起きたら損害が大きい“万が一”に備える
- 貯蓄:将来ほぼ確実に必要になるお金(教育費・老後資金など)に備える
貯蓄型保険はこの2つをひとつにまとめた商品。でも実際は、「どちらの目的も中途半端」になってしまうのです。
保険+貯蓄=“いいとこ取り”?実は“悪いとこ取り”
手数料の不透明さと高さ
多くの貯蓄型保険では、手数料の内訳が契約者に公開されていません。特に外貨建て一時払い保険では、販売手数料率が平均6.8%(金融庁 2015年)というデータもあり、投資信託の約2%に比べて非常に高額です。
さらに比較すると、全世界株式インデックス(オルカン)や米国S&P500に連動する優良なインデックスファンドの信託報酬は、なんと年率0.05775%程度。つまり、貯蓄型保険の手数料6.8%は、インデックス投資の約100倍以上のコストがかかっていることになります。
しかも、その手数料は保険会社から販売元(銀行など)へ支払われますが、原資は契約者の保険料。つまり、知らないうちに高い手数料を負担しているのです。
元本割れが長期間続く
高いコスト構造のせいで、契約後しばらくは解約返戻金が元本を大きく下回る状態が続きます。必要なときに自由に引き出せないどころか、解約時に損をする——そんな“貯蓄”ってどうなんでしょう?
為替手数料やリスクもある
外貨建て保険では、契約時や解約時に為替手数料がかかるほか、為替レートの変動によって返戻金が目減りするリスクもあります。「外貨で運用=利回りが高い」というイメージだけで契約すると、思わぬ損失につながる可能性も。
運用効率が低すぎる
仮に年利4%で運用されていたとしても、手数料が2%かかれば実質利回りは2%に落ちます。貯蓄型保険ではさらに多くのコスト(保障費用・運用費用)がかかるため、資産形成の効率が極めて低い商品です。
投資信託と似て非なる落とし穴
外貨建て保険で集めた資金は、多くの場合、米ドルや豪ドル建ての債券に運用されます。ここだけ見ると投資信託と似ていますが、以下のような違いがあります:
- 保険としての保障機能がある一方で、その分コストが高い
- 分散投資の幅が狭く、リバランスも不可
- 手数料体系が不透明で、見えないコストが多い
つまり「保険としての安心も得られて、お金も増える」という“いいとこ取り”にはなりません。
我が家がやめた理由と、今の考え方
私も過去に、ドル建て終身保険に加入していました。契約時は「積立感覚で使える」「円より利回りがいい」と期待していました。確かに担当者からは「円預金より増える」「万が一の備えにもなる」と聞かされ、当時はとても納得して契約しました。
しかし、数年後に返戻率を確認してみると、期待していたほど増えていないことに愕然。特に途中解約した場合の返戻金は大きく目減りしており、「この商品は“貯蓄”でも“保険”でも中途半端では?」という疑問を持つようになりました。
最終的には大きな損失が出る前に解約しましたが、振り返れば、もっと早く見直すべきだったと反省しています。
今では、保険は本来の役割である“保障”に限定し、必要最低限の掛け捨て保険のみ。貯蓄や資産形成は、現金+インデックス投資で別枠で行っています。使い道ごとに目的を分けることで、リスクも透明性も大きく改善されました。
それでも加入するなら?本当に“例外的に”向いている人だけ
もちろん、すべての人にとって貯蓄型保険が悪というわけではありません。以下のようなケースでは、一定の合理性がある場合もあります:
- 高所得で、節税目的が明確な人
- 相続対策として終身保険を使う明確なプランがある富裕層
ただし、こういった“例外”はあくまでごく一部に限られます。多くの一般家庭にとっては、契約時点でリターンが限定的で、途中解約のリスクも高く、インデックス投資や預貯金と比べても効率の悪い選択肢になりがちです。
「安心だと思って契約したら、じつは損をしていた」――そんなケースが後を絶たないのが現実です。
まとめ:保険と貯蓄は、分けて考えるのが最適解
- ✅ 保険は「万が一」に備えるもの。貯蓄は「確実な未来」に備えるもの
- ✅ 貯蓄型保険はコストが高く、運用効率が低い
- ✅ 保険と貯蓄を切り分けた方が、自由度も高く、家計管理もしやすい
「保険のふりをした貯金」に、大切なお金を閉じ込めていませんか?
自分の“備え方”を、もう一度見直してみる価値はあります。
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